働くASDパパ、親子で“発達”してます

職場で浮き、家庭で揺れて。それでも僕は、親であり続けたい。

【ASD営業1年目の失敗談】「普通に喋れ」がわからず電話応対で大パニック


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営業1年目、ASDの僕が直面した「普通に喋れ」という壁

営業1年目の僕は、先輩から「コミュ障」「対人恐怖症」「言語障害」なんて言われていた。
正直、営業に向いている要素なんてひとつもなかったと思う。

そんな僕に先輩が言った言葉がある。
「普通に喋ったらええやん」

……けど、この“普通”が全く理解できなかった。
普通って何や?
どこからどこまでが普通なんや?
辞書に載ってるんか?
そこに愛はあるんか?
そんなことを考えているうちに、電話応対では失敗ばかりしていた。


電話応対で大失敗!ASD脳が引き起こしたパニック

あるとき、取引先から「〇〇さんいらっしゃいますか?」と聞かれた。
その瞬間、頭の中でこう浮かんだ。
──「さっきまでいたから、まだいるはずや」

確認もせずに思い込みだけで「はい、おります。少々お待ちくださいませ」と答えて保留。
ところが実際には〇〇さん、すでに外出済みだった。

その事実を知った瞬間、心の中で暴走が始まった。

「おい!〇〇!何勝手に外出しとんねん!?
はよ戻ってこい!
このままやったら俺、先方に嘘ついたことになんねん!
だからはよ戻ってこい!
……ってか戻ってきて!
嘘です!なんとか戻ってきてくれませんか!?
一生のお願いです!どうか!どうか!」

頭が真っ白。
体がフリーズ。
電話一本で世界が崩壊。

……今となれば、先方に現状を淡々と伝えればいいだけの簡単なお仕事。
けど当時の僕には、それが一大事に思えて仕方なかった。

予定と違ったときに、その対処法を知らないとどうにもならなくなるASD脳。
ほんま、扱いにくい。


ASD脳の特徴「予定と違うと対応できない」

このとき気づいたのは、僕のASD脳の扱いにくさだった。
予定していた流れが崩れた瞬間、どう動けばいいか完全にわからなくなる。
言葉が出てこない。
考えが止まる。
パニックに飲み込まれてしまう。


「普通」の意味が理解できなかった僕

先輩に相談しても答えは同じだった。
「普通に喋ったらええやん」

……その普通がわからん。
普通ってどこにあるんや。
誰が決めたんや。

心の中で、僕はつぶやいた。

「……普通ってなに?教えて。おじいさん。」


克服のカギは「友達翻訳」だった

配属が変わって、別の先輩の下で働くことになったときのこと。
同じように「普通に喋れ」に悩んでいる僕を見て、その先輩はこう言った。

「お前、友達と話すときもそんなしどろもどろなんか?」

その一言で、僕の頭の中に電流が走った。

──そうか。友達とは普通に話せてる。
なら、その感覚を丁寧な言葉に翻訳すればいいだけやん。

これが僕にとっての“普通”の正体だった。


友達翻訳という答え

それから僕は、会話に「友達翻訳」を使うようにした。
友達に話すように自然に言葉を出し、それを丁寧語に変換する。
すると不思議なくらいスラスラ言葉が出てくるようになった。

「普通に喋れ」という呪いのようなワードに苦しんでいた僕が、
やっと自分なりの解釈を見つけられた瞬間だった。

電話応対が怖くなくなった。
むしろ「僕に怖いものなどない」と思えるくらいの万能感さえあった。

もちろん、その万能感が行き過ぎて別のトラブルを生むこともあったけど、
少なくとも“電話地獄”はここで終わった。


学びとまとめ

  • 「普通に喋れ」は人によって意味が違う

  • ASD的には“普通”をそのまま理解しようとすると詰む

  • 自分にとっての翻訳を用意することが大事

僕の場合は「友達翻訳」やったけど、他の人なら別の翻訳でもいい。
“普通”をそのまま飲み込むんじゃなくて、自分の言葉に変換してみる。
それだけでコミュニケーションのハードルはだいぶ下がると思う。


営業1年目、僕にとって「普通に喋れ」は地獄のワードやった。
けど翻訳方法を見つけたことで、電話応対が怖くなくなった。

あなたにとっての「普通翻訳」はなんやろうか。
ぜひ考えてみてほしい。